FPコラム No3

【積立による長期分散投資は、なぜ早く始めた方が良いのか(その1~複利効果について)】

皆さま、つみたてNISAやiDeCoなど、積立による長期分散投資を実践されている方も多くおられるのではないかと思います。

「積立による長期分散投資」のメリットとしては、「複利効果、ドルコスト平均法による効果、対象の分散効果」など、様々なものがあるといわれています。

私は、将来の老後資金形成などのために、なるべく早く「積立による長期分散投資」を始めた方が良いと考えています。(若い世代の方は特に)

なぜなら、早く始めることで、それらのメリットをより効果的に資産形成に活かせると考えられるからです。

そこで、今回は「なぜ早く始めた方が良いのか」、その理由について、数回のシリーズに分けて詳しく見ていきたいと思います。

今回は、「その1~複利効果」について見ていきます。

1 まず、積立による長期分散投資を長く続ける場合、「複利効果」のメリットは、どれくらいの違いがあるのでしょうか?

毎月積立額 3万円、年3%複利で続けた場合の違いを、10年、20年、40年それぞれでみていきたいと思います。

(※なお、税や信託報酬などの費用、投資商品のリスク(上下のブレ)は考慮しないこととします。)

 

①10年継続した場合:(積立額計)360万+(利益額)59万=(資産合計額)419万、

積立元本総額に対して、利益が16%増加

 

②20年継続した場合:(積立額計)720万+(利益額)263万=(資産合計額)983万、

積立元本総額に対して、利益が37%増加

 

③40年継続した場合:(積立額計)1440万+(利益額)1318万=(資産合計額)2758万、

積立元本総額に対して、利益が91%増加

 

以上のような結果になりました。(詳細は、別添資料1のとおりです。)

2 このシュミレーションによると、10年、20年、40年と、積立投資を長く続ければ続けるほど、「複利効果」で得られるメリットには以下のものが考えられます。

㋐ 利益の割合が、年々大きくなっていく 

㋑ 利益の金額が、年々増えていく  \( ¨̮ )/

㋒ 10年目と40年目を比較すると、10年目における利益額は約59万だが、40年目では約1318万と、金額の差が約22倍に膨れ上がっている

㋓ 10年目と40年目を比較すると、両者の利益額の差は、「1259万円」と著しく莫大になっている

㋔ 40年目の累計積立元本額は1440万であるのに対し、得られた利益は約1318万であり、積み立てた元本とほぼ同額の利益が得られる \( ¨̮ )/

3 これらの要因としては、「複利運用」を継続して行うこと、すなわち「毎年得られる利益をそのまま元本に組み入れること」を長期間継続することで、利益を生み出す元本が、「どんどん大きくなる」点にあるといえます。

すなわち、積立による長期分散投資を早く始めれば始めるほど、複利運用できる期間がそれだけ長くなりますので、少ない額を積立しながらも元本を「どんどん大きく」する効果が期待できるといえます。 (注1)(注2)(注3)

そこで、とりわけ20代の方(30代、40代… 以上の方も)は、なるべく早く、「複利効果」を利用した資産形成に取り組んでいただくことで、これからの長い人生における「長い時間を有効活用」した大きな資産形成ができるのではないでしょうか。 \( ¨̮ )/

(注1)積立による長期分散投資は、例えば日経平均株価や、MSCIコクサイなどの指数連動型のインデクスファンドなどを中心に行うのが一般的ですが、これらの金融商品には「リスク(上下のブレ)」が必然的に発生するため、実際には資料1のようにはいきません。

(注2)指数連動型のインデックスファンドは、リターンとしての分配金があり、その分配金は自動的に再投資されるのが一般的ですが、ETF(上場投資信託)は分配金は自動的に再投資はされません。

(注3)(注1)に関し、内閣府の資料(別添資料2、「各種株式指数を使った分散投資の結果」)を参考にご覧ください。(゚゚;)

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